指摘をもらって、なんでそんなことに気づけなかったのか、と思うことがないだろうか。
先日、設計ドキュメントを書いて、「目的がよくわからない、想定している具体例がないので正しいのか間違っているのか判断材料が十分に書かれていない」と指摘をもらうことがあった。その夜に考えたことを書いてみる。
まず感謝
まず、その指摘は素直に受け止めて、感謝を伝えるのが大事だ。
誰かに何かを指摘するというのは、簡単なことではない。 次回も指摘をしてもらうために、言い訳を重ねたり、などはしない方がよい。
ただし、何も考えてないやつと思われたくない、ただ素直に感謝を伝えるだけだと何も考えてないと思われてしまうかもしれない。 そういう時どうすればいいか、は今の所わからない。
日頃の行いでどんな印象を与えているか次第かもしれない。どうしようもない。 まぁそんなことはいいとして。
何故か / 原因
自分を客観的に見ていれば気づけたはずなのに、と思う指摘は少なくない。
何故こんなことが起きるのか、原因は何か考えてみた。基本的に脳が原因で、
- 脳のメモリが圧迫されて、判断力が鈍る
- 精神が脳の性能を制約する
- 脳のメモリに乗っている情報だけで、狭い視野で無理に結論まで出してしまう
- 知りすぎ
脳のメモリが圧迫されて、判断力が鈍る
これが肌感覚では一番多い。
- 経験不足だと、何をするにも調べたり考えたりすることが多い。
- ツールに習熟していないと、ツールの使い方を考えることに脳のリソースが取られる。
- 設計ドキュメントのテンプレートや、どこかの本に書いてあったフレームワークなど、所与の物による制約
こうしたことが積み重なると、脳のメモリは圧迫され、気づけば冷静な判断ができなくなってしまう。
逆に、経験豊富な人が冷静で的確な判断をして見える理由の一つは、脳のメモリにゆとりを持っているからだ。
経験があれば調べる必要もなく頭にある知識を取り出せばよく、考えなくてもパターンがいくつか浮かんでくる。 色んなツールを使ったことがあれば、そちらに意識を割くことなく作業ができる。
精神が脳の性能を制約する
焦ったり、心の余裕がないと、メモリ総量がそもそも逼迫する。
- 締切が近く、時間がない
- 仕事量が多く、追われている
- コンテキストスイッチが絶え間なく発生し、忙しない
日常だ。
脳のメモリに乗っている情報だけで、狭い視野で無理に結論まで出してしまう
既に近いところにある情報を使って、安易に判断して大局を見失うパターン
知りすぎ
これは『イシューからはじめよ』に記載があった、何故コンサルが必要か、の話から持ってきた。 メモリだけでなく、HDD まで書き込まれてしまった情報が、判断の視野を限定してしまう。
これは先に書いた経験があればメモリの余裕が生まれる、と反対の話だ。経験があるほど判断を誤る。
しかし「知りすぎ」はそう発生することではない。職種によるが、大体はパターンを知っているか知らないか、の違いのほうが大きい。 『イシューからはじめよ』でも、情報は集めるが、集めすぎに注意しろ、という文脈で出てきている。
どうすればいいか / 解決策
主にメモリ不足状態に限定して考える。一番多いからだ。
まずは、自分のメモリ不足状態を自覚すること
なんか、冴えないな、と思うとき。メモリ不足状態に陥っていることに気づかないといけない。
そもそもメモリ不足状態にならないように普段から習慣を作る
基本的な対策が最も大切だ
- 睡眠をしっかり取る
- 適度な運動
- バランスの良い食事
- メンタルの維持
メンタルの維持は、習慣で、ネガティブな記事を見ない、ポジティブな思考を声に出す、などがよくある
メモリ不足状態になったとき、できるだけ早く回復すること
メモリ不足状態になったら、脳のメモリを解放すればいい。
つまり、忘れればいい。
- 散歩する
- 寝る
- 他の事を考える
- 買い物に行く
が有効だろう。
余裕を作ることも大事だ。 連続してミーティングを入れないなど、普段から予定に余裕を持つ。 もしメモリ不足状態になったら、休憩させてください、ということが大事。
おわりに
先日、「あえてゆっくり考える」ことも大事だ、という話を見たが、あれも近い話だと思う。